徳山支部では8月1日、高額医療費未支給問題で周南市保険年金課と懇談を行い、高橋代表、浅海・丸山両幹事が出席した。
初めに、当会から、高額医療費制度の調査結果、各市との懇談経過などについて説明を行い、支給率が高まっている市もあるが、全体的には依然として未支給が多いことなどを強調した。
周南市は、「2市2町が合併したこともあり、現在9割近くが未申請であるが、7月から1度申請して頂ければ2度目から申請しなくても良く、代理申請も認めることにした。簡素化が遅れたのは、システムが追いつかなかったためで、現在、システムを改善しており、8月の中旬(お盆前)までには個別通知を行なう。また、合併したことで、10月には、老人医療受給者証を新しく一斉交換する。この時に登録制という形で、高額医療費支給対象であるか否かに関わらず老人医療対象者全員に、事前申請書類を送付する。9月中旬には実施し、申請漏れがあれば再度送付する」と述べた。
当会は、「事前申請を行うのは大変良いことだ。これをモデルに全市町村で実施するよう要請したい。また、老人は申請書を書くのが難しいので、医療機関に代理申請を行えるよう積極的に要請して頂きたい。実施する場合は、相談して頂ければ協力する」と強調し、10月以降の窓口負担改定による治療中断事例から、「経済的理由で治療が困難な方をどのように援助するのかが問題となる。例えば、周南市では、周南市国民健康保険条例施行規則において医療費の一部負担金の減免規定があり、また、県社協では生活福祉資金等の融資制度がある。こういった有効に活用すべきものを広報で宣伝、医療機関や民生委員などへ伝えていくことは行政側としては行い易いはずだ。本人がわからなくてもご家族の方がわかって利用することもできるので、ぜひ行って頂きたい」と訴えた。
これに対し、周南市は、「周南市では、条例規則として医療費の一部負担金の減免規程をしているが、適用自体は一度もない。医療費の一部負担金の減免は、国保料の負担金で賄うことになっている。つまり、同じ保険料を払っている市民に負担させることになり、これは、平等という観点からも実施できない。また、医療費の一部負担金の減免は、国が出している4割分の療養給付金をカットされ、国の援助がないため財政的にも実施が難しい。もちろん、災害時は国の援助もあるため減免は適用できるが、普段の適用は難しい」と答えた。
最後に、当会より、「周南市が事前申請を10月から行なうことは非常に素晴らしいことなので、山口県全体で実施されるためにも、良い例としてマスコミ等を通して発表させて頂く。また、事前申請を行った上で、未支給率がどれくらい減ったのかを改めて調査させて頂く時の材料にしたい」と訴え、懇談を終了しました。
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