社会の高齢化が進むなか、「ふれあい・いきいきサロン」の活動が注目されています。鹿野地域で初めて「ふれあい・いきいきサロン」が誕生したのは昨年7月のことでしたが、そのきっかけになったのは、保健・福祉・医療関係者の連帯のもとで、要介護高齢者の増加を防止する目的で開催した『介護予防教室』でした。この教室の中で、痴呆予防のために頭を使って脳をイキイキさせるゲームに挑戦したり、転倒防止に握力やバランス能力をチェックし自分の体力を知ったり、口の汚れは万病のもとで、肺炎の原因は口の汚れにある(?)と考え口の中の衛生の勉強をしたりと、健康に関する集いを重ねました。
お年寄りの関心事は何と言っても「健康」ですから、この教室はとても好評でした。さらに、教室に参加するために外出していくことは、そのまま閉じこもりの防止となるだけでなく、出会いの場となって仲間づくりにつながっていきました。教室の終了後、健康への取り込みを継続させ、その効果を地域に拡げていこう、介護保険を利用しなくてもいい時期を長くして、“元気老人を地域に増やそう”という声があがり、サロンの誕生となっていったのです。
2年目を迎えた鹿野のサロンですが、特に高齢化率の高い地域なので、「交流」と併せて「挑戦」をテーマのひとつに揚げています。つまり、自分の健康は自分で守る、“何かをしてもらう”ではなく“できることはまず自分でやる”、そのことで自立と生きがいとを高めていくことを主眼に置いています。たとえば、転倒による骨折を防止するために、毎回、“キヨシのズンドコ体操”やリズム体操をしますし、ひとり暮らしや高齢者を狙った悪質な訪問販売の被害にあわないように、消費生活センターのかたのお話や、地元の駐在さんによる高齢者の交通安全や治安維持についてのお話を聞いて学習もしています。自分たちが知りたいこと、挑戦したいことを参加する高齢者自身が決め、内容は盛りだくさんです。
運営は、ボランティアが中心になって行なわれ、参加者がサロンにとけ込みやすいように、寄り添って話を聴いてさしあげるように心がけ、サロン以外で出合ったら必ず声をかけて、新たな、なじみの関係をつくっています。今後は、地域での見守りネットワークをより広げていくために、さまざまな地域でサロンが立ち上がるよう、説明会を予定しています。
昨年の先進地視察で、福川地区すみれの会に出向き学習しましたが、今年はすみれの会のみなさんを鹿野にお迎えして鮎釣りでの交流をしました。合併で地域が広がり、たくさんの交流の場ができました。周南のあたたかな風が、山口の北海道と称される鹿野にぜひ届いてほしいと思います。
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