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2012年02月15日
有井 久美子さん/季節を感じるCafe はなこころ 店主
美しく生きるということ
「どうしてこんなお店をやろうと思ったのですか?」
お客様からよく聞かれます。
「そうですね・・・。」
とお答えしながら、いろんな事が頭の中をぐるぐるまわります。
「どうしてもお店がやりたい!」と思って始めた訳ではないのですが、
やるならば・・・と思っていた事は、
1.内装は少しだけ高級感があること
2.茶室をしつらえること
3.食を大切に、本当に身体にも良く、美味しい物をお出しすること
4.日本の古き伝統や文化を、少しでも取り入れることができるようなお店であること
などなど、書き切れるものではありません。
そして、大きなコンセプトとしては、『はなこころ』は私の家。
お客様は私の友達。
来店されることは、友達が家に遊びに来てくれたということ。
「それじゃあ楽しんで帰ってね!」
これなのです。
お客様を相手にお商売をさせていただくというのは、人様とのご縁でお金をいただくということだと私は思っています。
『はなこころ』は、今年で3周年を迎えます。
その間というのは、素晴らしいお出会いの連続でした。
もちろん、私の性格上(おおざっぱだったり、物忘れが多かったり、片付けが行き届かなかったり、これまた書き切れない程たくさんありますので・・)お叱りをいただくことも数知れぬくらいたくさんありました。
それでも皆様、笑って許してくださって、また来店してくださるのです。
「はなこころが大好き。」
「すごく落ち着く。」
そんな風に言ってくださるのです。
私の友達が、新しい友達を誘って、『はなこころ』に遊びに来てくれるのです。
「うっ うれしいわぁ〜!」
〜日本を外からみることができた経験〜
私が香港に行ったのは、2001年の3月26日。
人生をやり直すのは今しかない!
何事も始めるのに遅すぎることはない!
その思いだけで、私は大切なものをなにもかも全部捨てて香港に行きました。
あてがあったわけでもなく、仕事があったわけでもなく、ただ ただ 人生をリセットする、それだけのためにです。
今それをしろと言われても、絶対にできません。
自分でも本当によく行ったなぁと思っていますから。
行ってすぐは何も考えられず、ただ ただ 泣いて暮らすだけ。
目にするもの、聞こえる音、全てが分からない。
誰一人も知らない人達。
雑踏の中で倒れそうになるくらいの孤独の中で、「どうしよう、どうしよう・・」と思っていました。
1週間位した頃、その当時の数少ない香港人のお友達にお願いしておいた、マンションと携帯電話が手に入り、言葉の通じない友人と生活必需品を買いに行き、私の香港での生活はスタートしました。
その時には、もう私は泣いて暮らすことはやめていました。
「負けるもんか!必ず香港乗っ取ってやる!」
そう心の中で思っていました。
それから広東語の学校へ行き、少しづつ言葉が分かるようになり、なんとか仕事も見つけることができたのです。
だけど、それは本当に本当に私が運が良かっただけなのです。
「強運だけで生きている」
これもよく人から言われます。
自分自身もそう思います。
だって本当のことだから。
一年が過ぎる頃、私は少し余裕ができるようにもなり、香港ならではの中国茶の勉強もはじめました。そこで出会った日本人の友人達と、茶器の勉強のため、宜興や景徳鎖に旅行に行くことも出来るようにもなったのです。
やがて、これが『はなこころ』へ通じてきます。
当時は、日本でお店をやるなんて考えもしなかったのですから。
過去が現在へ生き返る、人生無駄なことは何もない、ということを実感致します。
言葉が理解できるようになってきて思ったことは、「日本語というのはなんて美しいのだろう」ということです。「春の小川はさらさらいくよ」と聞くと、日本人なら心の中にその人なりの美しい春の風景が思い出され、「花冷え」と聞くと、桜は満開だけど、夜になるとしんしんと冷えてくる夜。春なのに。
その人なりのイメージの美しい季節の風景。
相手を敬う言葉、男性的な言葉、女性ならではの優しい言葉、和歌などに詠みこまれる美しい日本語。これは本当に 美しい という一語につきます。
言葉は言の葉、言霊になり波動します。
波動というのは 水にゆれること 。
人間の身体は水と塩でできています。美しい言葉を話したり聞いたりすることは、身体の水を美しくします。とても大切なことです。
海外に住んで生きていると、本当に日本という国が素晴らしい国だということが分かります。それは「食」ということにも当てはまります。
仕事先で友達になったネパール人のクマリ。彼女の作るチキンカレーは絶品でした。大哥(=お兄ちゃん、兄貴といった意味の呼び名)の作る中国風お鍋など(「しゃぶしゃぶ〜」とか日本語で言っていましたけど)
中華料理の素晴らしさはここで言わなくても皆様よくお分かりのことと思います。世界中に溢れている美味しい食べ物だけど。
だけど、だけど・・
和食ほどの完璧な食事はないと思うのです。食文化という点でも。
美しい和室、器、盛り付け、食材、季節や旬をとりいれ、味付けなどなど。
(あぁ、またまた書き切れません〜)
そして 一番大切なこと。
「おふくろの味」
無鉄砲な人生を走ってきた私ですが、いろんな方々に支えていただいてきた私ですが、安心して眠れる 母 という居場所があったおかげで生きてこられました。
そして、母が遺してくれたお金で『はなこころ』はできました。
「お母さん、ごめんね・・。このバカ娘は、せっかく遺してくれたお金をこんな事に使ってしまって。だけど、お母さんありがとう!おかげで新しいお友達いっぱいできたのよ。」
〜働く女性は忙しい〜
専業主婦の女性だって忙しい。介護と戦っている人も本当に大変です。
とにかく女性は忙しいのです。だけど、一番大切なことは、「食を大切に生きる」ということではないかと私は思います。今時の子供たちだって口を揃えて言います。
「うちのお母さんの作った ○ ○ が大好き!」
それは、お母さんの作ったカレーだったり、おむすびだったり、卵焼きだったり。
スーパーやコンビニでは簡単に食べ物が安く手に入ります。
だけど、それが「おふくろの味」では悲しすぎると思います。
忙しいのだからたまにはそれもいいとも思います。
無理は禁物、がんばりすぎるのもダメです。
「美しく生きる」とは忙しすぎないこと。
がんばりすぎないこと。生き急がないことかもしれない。
忙しいって心がなくなるって事です。
部屋を少しだけキレイに整えましょうよ(私も心掛けます)。
美しい言葉を話して、相手と自分の身体の水に良い波動を送りましょうよ。
そしてたまには自分に美味しいごはんを作って食べましょうよ。
それでも心が少し風邪ひいたかなぁ?と思ったら、どうぞ『はなこころ』に遊びに来て下さいね。温かいお茶をいれましょうね。
お腹が空いていたら、有機野菜と玄米のお食事もありますよ。
ゆっくりしていってくださいね。
だって友達だもの。
お待ちしていますね。
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有井 久美子
季節を感じるCafe はなこころ
〒745-0071 山口県周南市岐山通り3-5 又玄堂ビル1F
TEL: 0834-32-6315
営業時間: 11:30〜21:00(ラストオーダー20:00)
店休日: 水曜日、木曜日、第一日曜日
※貸切りの場合があります。お電話してお出掛け下さい。