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2010年08月25日
夏目 鏡香さん/株式会社アイウェアメビウス 代表
私が会社を立ち上げてから来年で20年になります。最初は岐阜県でメガネの店を立ち上げたのですが、その当時は価格訴求型の店でしたので資本の大きなところには勝てず、しだいに手詰まり感を感じるようになりました。そのうえ、ブランドの名前はついていてもどれも似たり寄ったりのメガネばかり。
でも本来メガネというのは顔にかけるものですから、顔がひとりひとり違うのと同じようにメガネの形も違うはずだし、もっときれいな色や楽しいメガネがあるはずだと思っていました。お茶を飲みながらゆったりとメガネを選んで差し上げるような店が私の理想でした。
それで今から16年前、思い切って東京渋谷に店を出しました。
当時は業界は完全に男性社会でしたし、いきなり東京に出店するのはかなりの無謀なことだったと思います。
視力矯正のためのメガネから、ファッションのアイテムとしてのメガネに変わったのは、東京に出店したことがきっかけでした。
ヨーロッパのハウスブランドのメガネに出会って、メガネには大きな力があると思うようになりました。その国の文化や感性がメガネにも現れてくるのです。たとえば車を例にとってみますと、ドイツ車はドイツ車らしいし、イタリアの車はイタリアらしいですよね。メガネはそれ以上にデザイナーのお国柄がでます。
一方で、よく知られたメジャーなブランド名がついているメガネはたくさんありますが、ライセンス契約によってブランドマークをつけているのであって、デザインしているのは、フランスのブランドであってもライセンスを買ったメーカーのデザイナーであることが多いのです。だからブランド名がついていてもデザインがみんなどこか似ているのでしょう。メガネのデザインは光学的な要素が入るので、アパレルのデザイナーに敬遠されるのかもしれませんね。
ハウスブランドのメガネはメガネのデザイナーがデザインしているので、メガネとしての機能をキチンと備えているだけではなく、おしゃれでもあります。その理由は、自分達がかけたいメガネをほとんどハンドメイドで少数の人のために生産しているからでしょう。大量生産をする場合はより多くの人に売るわけですから、大勢の人に受けるデザインであり、個性的なものは排除され非生産的なものは避けられます。しかし私が求めているものは生産性の良いものでもなく、本当の意味で自分に似合うものです。多くの人に似合うものは実は誰にも似合わないのです。ブランドロゴは表にはついていません。ブランドだから買うという人には無縁のものです。
また不思議なことに、たとえばベルギーやフランスでデザインされたものでも日本人にとってもよく似合うのです。もちろん鼻の高さがヨーロッパ人とは違うので、パッドを新しくつけたりする必要性はありますけれど。
メガネのファッションに関して言えば、残念なことに、ヨーロッパのデザイナーの方が、おしゃれですてきなメガネをデザインするように思います。もちろん日本人にもアイウェアのすぐれたデザイナーはいますが。
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メガネがファッションのアイテムになっても、視力を矯正するものであるということは大きな事実です。4年前に検眼をキチッと勉強したいと思って勉強を始め2年後にはオプトメトリストの試験に合格しました。勉強は楽しく、生理光学と神経の解剖学にははまりました。何ごとにも一生懸命になると面白くなるものです。
私と山口県周南市と関わりを持つようになったのは、友人でありお客様であるギャラリー招き猫やのオーナー、中川美穂さんを介してでした。2007年に初めて招き猫やのギャラリーにメガネを展示させていただくことになり、このとき山口の素晴らしさにたくさん触れました。まず、お魚の美味しいことにはおどろき、いっぺんに魚ぎらいが直りました。日本の伝統的な美をうまく生活様式の中に取り入れているのにも感心しました。
今回、ギャラリーに展示させていただいた折、温泉につかりながら笠戸島の島影に夕日が落ちるさまを見て、その美しさに感動しました。
これからも山口県と良い関係が続きますようにいのっております。
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株式会社アイウェアメビウス
東京都渋谷区神南1-20-12 遠山ビル3階
■URL/http://www.eyewearMebius.com
■E-mail/nature@eyewearMebius.com