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2009年03月16日
立野 知己さん/弓道 教士六段
私は生まれも育ちも山口県周南市(旧徳山)です。
弓道というものに高校1年の春に出会ってから、ずっと二十数年続けてまいりました。
子供は長男23歳、長女20歳、次男16歳の3人おります。途中、産休はありましたが、できるだけ弓道からは離れないようにしてきました。
子育てをしながら弓道を続けてこれたのも環境に恵まれていたからだと思います。と言いますのも、高校時代から現時点もご指導いただいている先生に子守りしてもらいながら練習したり、主人も弓道をしていますので私が弓道を続けることに協力してくれました。
上手になりたいの一心で練習をしてきましたが、お稽古事というのはとても苦しく、辛いもので、不調が続くと嫌になることもしばしばでした・・・
それでも又、弓を手にしていました。調子の良い時のほうが少ないように思います。
先生の熱心なご指導によって、高校2年生、3年生で国体出場し、インターハイも個人で出場することができました。社会人になった年にも国体に出場しました。結婚後は試合の方は少し遠のきましたが、昇段審査を目指し地道に練習して六段まで取ることができました。
子供の手が少し離れてきて、弓道に少し打ち込めるようになった5年前から全国レベルの大会を目指すようになり、さあこれから弓三昧!と思ったのはつかの間で、皆様ご存知のとおり、子供が大きくなると言うことは出費も大きくなるということで、事務職のパートに出ることになりました。夕方5時過ぎに仕事が終わり、買い物をして夕飯の支度をし、お洗濯たたんで、それから練習に行きます。結構クタクタです。
平均して実質1時間の練習時間ですが弓を引くことでリフレッシュされる感じもあり、仲間と楽しいひと時を過ごせます。が、帰ってからはお片付け・・・
週に一度ですが、高校の弓道部の指導にも行っています。
弓道場が火曜が休館日なのでそれ以外はほとんど練習に行っています。週末は試合や、弓道の講習会など行事が結構ありますがなければ練習です。練習時間が少ないのでとにかく道場に行ける日は行って弓を引いています。要するに弓道が大好きと言うことですね。
一応、私なりに家事もこなして(そこそこ)、子供の行事にはできるだけ顔を出し、自分なりにやれるだけのことはやって、好きな弓道をさせてもらっています。
ただ心苦しいのは夕飯時、部活や仕事などで帰りが遅いため、すれ違いな感じで私が出るので、夕食のとき居てやれないことや食事が冷めてしまうことです。それに食事のときの会話はとても大事な時間ですがそれもろくにできず、ほんとに申訳なく思います。
現在、次男は高校野球児なのでいろいろと手がかかってしょうがないですが、一生懸命スポーツに打ち込んでいるので共に頑張ろう!って感じです。
<全日本女子弓道選手権大会>
昨年の9月、東京の明治神宮で開催された第41回全日本女子弓道選手権大会において優勝することができ、皇后盃を拝受することができました。
この全日本選手権大会とは、弓道人の皆さんが目標にしている最高峰の大会です。
参加資格は、錬士五段以上で、全国から選びぬかれた選手たちが心技体を競い合います。
本戦では4射2中以上、射技点(弓を引く姿や内容)、体配点(立居振舞いや動作、品格)、的中点の総合得点の上位20位が決勝に進みます。この大会だけは、ただ的に当てれば良いという大会ではないのです。厳しいですが自分試しの場でもあります。
決勝は、2本×5回の合計10本引いて的中の多い人が優勝ということです。
9本的中したのは私を含め2人でした。それからはサドンデスで戦うのですが、1本目に勝負は決まり優勝!!となりました。運が良かったとしか言えません。
これからの目標は、今年も9月に全日本女子弓道選手権大会が三重県の伊勢神宮でありますので、その大会に向けて練習あるのみです。とにかく予選通過を目指し、決勝に進むことが目標です。
丁寧に1本1本悔いのないように納得の行くように行射することが大切です。
弓道は的を狙って当てる競技ですが、実は自分自身の心、精神力の戦いでもあります。いくら練習を重ねて技術的に上達しても、精神力が未熟だと不安がよぎったり、欲が出たりします。すると矢は真っ直ぐ的に飛んで行ってはくれません。練習ではよく当たっても試合などで外れたりします。
平常心が大事なのです。基本に徹して丁寧に繰り返し練習していくことでその精神力も養われていくと思います。何事も道を追求していくことは厳しいことですがそれによって、技も精神力も磨かれていくように思います。
弓道は年をとってもできるスポーツなので、仲間は老若男女さまざまです。若い人たちにはエネルギーをもらい先輩方には技やいろいろな知識をいただけます。武道は「礼に始まり礼に終わる」と言われるように礼儀も自然と身についていきます。数年後、中学校でも武道が正課科目になるのでお子様に勧めてみてはいかがでしょう?もちろん成人の方も是非挑戦してみてください。
よく「弓道場ってどこにあるの?」と聞かれます。周南市の高校にはほとんど弓道部がありますし、私のホームグランドは周南市総合スポーツセンター2階にある弓道場です。機会があればご見学ください。
周南市弓道連盟では5月と9月に初心者教室を開いております。月曜と金曜の午前の部と午後の部があり、全10回コースです。弓道に興味のある方は周南市の広報に小さく案内が載ると思いますので探してくださいね。ご参加お待ちしています。
[立野 知己 略歴] ----------------------------------------
弓道 教士六段
弓歴
昭和54年4月 山口県桜ヶ丘高等学校において手嶋敏子先生(教士八段)の指導により開始
<全国規模の大会>
昭和55年10月 第35回栃木国体出場
昭和56年8月 第26回インターハイ(個人)出場
昭和56年10月 第36回滋賀国体出場
昭和57年10月 第37回島根国体出場(皇后杯5位)
平成6年6月 第45回全日本弓道遠的選手権大会出場
平成17年9月 第38回全日本女子弓道選手権大会出場(優秀賞)
平成17年10月 第56回全日本弓道遠的選手権大会出場
平成18年10月 第57回全日本弓道遠的選手権大会出場(優秀賞)
平成19年9月 第40回全日本女子弓道選手権大会出場(優秀賞)
平成20年9月 第41回全日本女子弓道選手権大会出場(優勝)
平成20年10月 第59回全日本弓道遠的選手権大会出場(決勝選出)
<昇段・昇格歴>
初段 昭和55年8月 五段 昭和62年4月
弐段 昭和56年2月 錬士 平成 3年6月
参段 昭和57年3月 六段 平成10年6月
四段 昭和61年9月 教士 平成19年9月