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2007年08月16日
浅原裕子さん/造形作家
今月は、造形作家の浅原裕子さんをご紹介します。
【 プロフィール 】
浅原 裕子
山口県山口市生まれ
武蔵野美術短期大学卒業
写真やアクリル画やビスクドール制作をはじめる
URL|http://www.c-able.ne.jp/~goblin/
【 略歴 】
1994年 朝日現代クラフト展
1995年 朝日現代クラフト展
1996年 アジア工芸展
1997年 アジア工芸展
1999年 女性だけの写真展 準優秀賞
1999年 山口県美展 佳作
2000年 小倉アートフェスティバル参加
2002年 日韓交流ファッションフェスティバル招待
2006年 GEISAI#10にてスカウト審査員賞受賞
【 今後の予定 】
10月6〜7日 アートフル山口出展(場所:山口ふるさと伝承総合センター)
10月27〜28日 山口アートクラフトフェア出展(場所:山口情報芸術センター前庭)
11月17〜18日 デザインフェスタ出展(場所:東京国際展示場/ビッグサイト)
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私の物作りの原点は、短大の卒業制作に東京友禅を始めたのがきっかけでした。
防府に帰ってからは友禅に限らず、手法は蝋纈(ろうけつ)、型染、絞りと、
また染料は藍、草木、化学染料を使い、ハンカチ、センター、のれん等身近に使えるものを染色し、
販売していました。
その後糸を染めたものを織ったり、編んだりしたタペストリーを県美展、朝日現代クラフト展、
アジア工芸展に出展していましたが、ある本で目にした原毛(羊の毛)から自由に生地から作り出す
フェルトに惹かれ、帽子やバック、マットまで作るようになります。
この頃から規制のない自由な発想が生かされる立体表現に目が向くようになっていきました。
並行してアクリル画も描くようになり、粘土人形、ビスクドールも何体か作っていましたが、
自分の絵に出てくる空想上の動物も立体にしようと思い、生まれたのが現在のゴブリン達です。
ゴブリンは、ヨーロッパではいたずら妖精を総称して呼ばれる名前ですが、
自分の空想で独自のゴブリンを作っています。首や手足等の可動部は球体関節、
人形全体を空洞にした中にはゴムを張ることによって自由にポーズをとることが可能です。
一般のゴブリンは鬼のイメージが強く、攻撃的な感じですが、
私のは強いて言えばキモカワイイ感じでしょうか。
ゴブリン本体の素材は、全て石粉粘土と木の粘土(のこくずと糊を混ぜたもの)のブレンドで作ります。
その外面はなるべく一体ずつ質感を変えようと思い、
塗料に使う錆カラー(金属入りで、酸化剤をかけるとそれに反応し、古ぼけた感じが出ます)、
染料に使う発砲バインダー(熱を加えることでモコモコな表面になります)等
多種多様な素材を駆使しています。
今後、誕生予定のゴブリンは、柿渋染めや藍染めの布、フェルトを張ったゴブリンです。
あとは漆に似た質感で、カシューを塗ったゴブリンも生れるかもしれません。
今、最も挑戦したいのは七宝ゴブリンです。これは素材自体から考えないと難しいですが、
もしかしたらビスクドールの知識が使えるかもと期待しています。
ゴブリンを通して、やりたいことが無限大に広がっていきそうな予感ですが、
最終的にはどんなものが出来るか自分でもわかりません。
次のステージでは必ず一歩でも成長していたいです。
その意味では、昨年7月の村上隆主催のGEISAIでのスカウト審査員賞受賞は大きな励みになりました。
それから今年6月、こんな自分勝手に物作りをしている私を理解してくれる人と結婚したことです。
彼が展示会を観にきてくれたのがそのきっかけとなったので、
以来私はひそかにミラクルゴブリンと呼んでいるのですが...。
これからは応援してくれる彼に支えられながら、新たに進化し続けるゴブリンにワクワクしながら
発表し続け、自分自身も成長していきたいと決意しています。
頑張れ!ミラクルゴブリン。